フォーマーズ
グローバルな保険・金融事業を支える5つのバリュー
4万人超の組織で一体感を生み出し、
「お客さまから選ばれる会社」へ
複数のグループ会社を抱える大企業にとって、会社・組織の壁を超えてシナジーを生み出し、未来に向けて新たな価値を創造していくためには、共通の価値観を全社員が理解し体現する必要がある。まさにこの取り組みに注力するのが、国内大手の保険持株会社、MS&ADインシュアランスグループだ。国内に中核となる損害保険会社3社、生命保険会社2社に加え、リスク関連サービス事業などの関連会社を擁し、全世界で4万人超の従業員が働く同グループは経営理念・経営ビジョンのもと、5つのバリュー(行動指針)を策定し、これを深く社員に浸透させている。こうした同グループの取り組みから、組織間でのシナジーを高めていくヒントを探る。
※本記事は日経電子版広告特集(2025年3月6日~2025年3月31日)にて掲載したものの転載です※著作・制作日本経済新聞社 (2025年日経電子版広告特集)。記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます

INTERVIEWEES

執行役員 総合企画部長
大和田 博義 氏

グローバル損害サポート部・物流第三グループ課長
柳川 康紀 氏

関西企業営業第一部担当次長
片桐 健吾 氏

リスクコンサルティング本部 リスクマネジメント第五部
サステナビリティ第二グループ 上席コンサルタント
小林 佑佳 氏

運用審査管理部 運用資産管理G主任
松並 悠太郎 氏

損害サポート第二部・安心センター大阪第四
アシスタントマネージャー
日野 新 氏

青森生保支社支社長
冨澤 梢 氏
グループ会社間でシナジーを生み出すには共通のバリューが不可欠
社会や地球環境はもちろん、事業のサステナビリティー(持続可能性)が企業の社会的責任として課せられる中、これらの取り組みに全社的に注力している企業が増えている。その一社がMS&ADインシュアランスグループだ。2010年に三井住友海上グループ、あいおい損害保険、ニッセイ同和損害保険の3社が経営統合して誕生した同社グループは、国内損害保険事業を基軸に、国内生命保険事業、海外事業、金融サービス事業、デジタル・リスク関連サービス事業と幅広い事業を展開。現在では、自社グループを「リスクソリューションのプラットフォーマー」と位置づけ、活力のある社会の発展と地球の健やかな未来を支えることを使命としている。
グループ合わせて4万人超の従業員が働く同社グループでは経営理念、経営ビジョンのもと、5つのバリュー(行動指針)として「お客さま第一」「誠実」「チームワーク」「革新」「プロフェッショナリズム」を掲げ、グループ全体に浸透させている。
多彩なグループ会社を抱える一方、5つのバリューはどのように日々の業務に反映されているのか。今回は、国内各地のグループ会社6社から社員を招き、持株会社であるMS&ADホールディングスの執行役員、大和田博義氏をファシリテーターとして座談会を実施。各社の取り組みや日々の業務に込める思い、さらなる一体感醸成により生まれる自社グループの未来について語り合った。

6社に聞く、MS&ADグループを支える5つのバリュー
日々の業務に取り組む中で、5つのバリューをどのようなときに意識するか、それぞれの業務の視点から教えてもらえますか。
柳川
三井住友海上火災保険で海上保険の損害サポート業務に携わっていますが、5つのバリューは働く中で意識せずとも当たり前のようにあるものです。ただ、中でも特に意識しているのが「革新」です。
我々は保険金のお支払い業務に加え、物流現場の事故防止を重点施策として取り組んでいます。物流現場に足を運びリスクの実態を調査するという従来の手法に加え、米スタートアップが開発したGPS機能付き輸送環境記録計を活用したサービスを開始し、事故防止の取り組みを高度化しました。社内の関連部署や海外拠点と連携しながら、さらなる活用方法について検討を進めています。
片桐
あいおいニッセイ同和損害保険では、現在、大阪・関西万博に関連する損害保険の提案や、大阪メトロが大阪・関西万博で協賛する自動運転バスの運行に関わるサービスの組成などを担っています。当社は様々な企業と組んで進めるプロジェクトが多いため、私の場合は、「プロフェッショナリズム」を特に心にとめています。保険という形のないものをお届けする以上、保険のプロとして価値ある情報・サービスをお届けすることが、何よりも求められると感じているからです。
小林
私はグループでシンクタンクの役割を担うMS&ADインターリスク総研で、サステナビリティーに関するコンサルティング業務を担当していて、5つのバリューは全て業務に関わってきますが、お二人が挙げていただいた「プロフェッショナリズム」「革新」はもちろん、「チームワーク」も特に重要だと感じています。日々、移り変わっていくサステナビリティー分野において、世の中を変えていく革新的なアイデアを生み出すためには、各分野のプロが力を合わせることが必要だからです。
お客さまの大切な資産や補償に関わる業務という視点からはいかがですか。
松並
私は三井住友海上プライマリー生命において、変額保険における特別勘定資産の管理業務を担当していますが、私は5つのバリューの中で一番大事にしているのは「誠実」です。業務の一つにユニットプライス(特別勘定資産の1単位当たりの価格)を締め切りまでに正しく算出するのですが、変額保険におけるお客さまの資産を正確に評価する基盤であり誤りが許されないため、最大限の「誠実」さを持って業務に取り組むことを信条としています。
日野
私は、三井ダイレクト損害保険で自動車保険の保険金支払いをする部門で働いているのですが、私もお客さまに対して「誠実」であることを大切にしています。事故に遭われたお客さまは不安な気持ちになられていることも多く、一刻も早いサポートが求められます。私たちは、お客さまの事情や背景を理解し、真摯に向き合い、寄り添いながら信頼関係を築くことが重要だと考えています。お客さまにとって私たちが親切で頼りになる存在であり、いざというときにお客さまを守れる存在であるために、「誠実」であることは大切な信念の一つです。
お客さまと接する機会が多い業務からの立場としては、どうでしょうか。
冨澤
三井住友海上あいおい生命保険の営業部門で働く中で、生命保険事業を通じて、地域の皆さまが健康で豊かな生活を送るためのサポートを行っています。一番のキーワードは、「お客さま第一」です。保険のプロとして、潜在的なリスクやニーズを可視化することで、お客さまの暮らしと健康を守れる保険サービスを提供できるよう心掛けています。
片桐
「お客さま第一」という言葉は私も強く意識していますが、押し付けにならないようにすることも重要だと考えています。お客さまが第一だと感じていることを大切にしながら、一人ひとりの暮らしに寄り添えるサービスを提供することが必要だと感じています。
皆さんが、日々5つのバリューを意識し、
それぞれの業務に向き合っていることが分かりました。
事業アイデアプログラムやコンテストもグループ連携の場に
MS&ADグループ間でのつながりや、シナジーを感じる場面はありますか。
冨澤
当社には損害保険の営業基盤を生かしたビジネスモデルがありますので、営業現場において本日参加している三井住友海上、あいおいニッセイ同和損害保険をはじめ、グループ各社で連携することが日常になっています。保険代理店は損害保険商品も生命保険商品も、生命保険については当社も三井住友海上プライマリー生命の商品も扱いますので、お客さまにとって何が最適解になるのかを日々話し合いながら業務に取り組んでいます。
各社との接点や損害保険のチャネルを生かして生命保険を売るのは、当社グループならではの強みでもありますよね。MS&ADインターリスク総研ではどうですか。
小林
損害保険チャネルを生かしたサービス展開だけでなく、サービス開発においてもグループ各社との連携を意識しています。人権に関するコンサルティング業務を担当する中で昨年、社外のベンチャー企業に対して投資を行うMS&AD Venturesが出資している英Ground Truth Intelligence社と提携し、「サプライヤー人権侵害リスク調査サービス」の提供を開始しました。全世界に所在する個別企業を対象に現地言語や文化・慣習に精通する調査員が人権侵害の有無を調査し、結果をリポートするサービスですが、国内企業から多くの引き合いを受けています。同サービスは「MS&ADサステナビリティコンテスト2024」で優秀賞(グループシナジー賞)を受賞しました。
確かに、サステナビリティコンテストといったMS&ADグループ横断で行われるプログラムやコンテストもグループ内のシナジーを高める観点でも重要ですね。
松並
私も新規事業創造のためのプログラムである「ビジネスイノベーション チャレンジプログラム」に参画しました。グループ4社横断でチームを組み「きゃっとガーディアン」を応募し入賞しました。これはIoT火災報知器をペット(猫)に見立て、アプリ内で飼育することにより報知器の性能を維持し、火災発生時に報知器が作動しない事態を防止するものです。自分の業務領域から一歩踏み出し、異なるバックグランドを持つグループ会社の社員と取り組みを行うことで新しい刺激や気づきを得ることができました。
グループの根底にある共通要素を再認識しつつ、それぞれの強みを活かす
今後MS&ADグループが「お客さまに選ばれる会社」となるにはグループのリソースを生かしてさらなるシナジーを生み出さなければなりません。そのためには何が必要でしょうか。またグループや自分自身はどうありたいと考えていますか。
片桐
グループは様々な会社で構成されていますが、事業として「リスク管理」や「保険」の点では共通しています。例えば会社間の出向などグループ人事でそれぞれの事業会社の良い点を広めることで、グループ間のシナジーを生み出せるのではないでしょうか。
冨澤
保険本来の役割である経済的補償に加えて、「リスクソリューションのプラットフォーマー」になるには、確かに必要に応じて他業の機能をうまく統合したり積極的な協働をしたりしていきたいですね。
松並
私自身も入賞につながったオンラインワークショップなどに参加し、実際にグループの方と一つの目標に向かって取り組んでいる時は、グループはともに学び合い支え合う仲間だと改めて強く実感しました。
柳川
新しい知識やスキルの習得に励むことはもちろんですが、皆さんおっしゃるように、自身の所属組織の外に目を向けて感度を高めて、自分自身の可能性を広げていくことを意識して業務に取り組んでいきたいですね。
日野
会社は違っても、我々は相互扶助という社会的意義のある事業を支えていることは共通しています。一人ひとりがこうしたことを強く認識し、誇り高く仕事に従事できる仕事環境をつくることが、結果的にグループ会社全体の価値向上につながると思います。
小林
金融機関である当グループはサステナビリティーの取り組みを率先・推進する役割もあります。MS&ADインターリスク総研としては、これらの業務を支援することでグループ全体の価値およびお客さまへの提供価値を高めていきたいと思います。
企業の垣根を超えたシナジーを生み出すために、私はどれだけの人を巻き込めるかが重要だと考えています。それぞれのフィールドで活躍する皆さんが、5つのバリューを軸としながら協力することでグループがさらに強くなっていく。今日の座談会もその一つの場となれば嬉しいですね。
